愛知県名古屋市を中心に活動するエクステリア・ガーデンプランナー、Garden office Terraのコラム♪
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道路から建物の玄関までの人が通る部分をアプローチと言います。毎日人が通る部分ですので歩きやすい素材を選ぶことはもちろんですが、お家の印象を左右するポイントでもあるためデザイン的にもこだわって決めたいところですね。
今回のコラムでは、アプローチの素材とデザインに関していくつかのポイントに分けてご説明していきます。
アプローチの素材としてはタイルや自然石等様々な敷材が使われますが、どの素材にも言える選定のポイントに天候に左右されない歩きやすさをキープできるものという点があります。やはり毎日通る部分ですので通るたびに気を使わなくてもいい素材を選ぶべきでしょう。
例えばタイルなら表面にザラザラな滑り止め加工がしてあるものがいいでしょうし、自然石ならある程度表面の凹凸が大きいものを選んであげた方が雨の日のスリップの心配はなくなります。ただし、あまり凹凸が大きすぎると今度は水たまりの原因になってしまいますので注意しましょう。
<タイル>
屋外で使用する場合、表面にザラザラな滑り止め加工がされているものをおすすめします。
また、全体的に水勾配を付けて水たまりができないようにします。
<自然石>
表面にある程度の凹凸があるものの方が滑り止め効果はあります。
ただし、凹凸が大きいものは水たまりもできやすいので、タイル等表面がフラットなものよりも水勾配をしっかり付ける等の工夫が必要です。
予算、デザインの両面からアプローチにコンクリート敷を採用することもあるでしょう。実はコンクリートも表面の仕上げを変えてあげるだけでグリップ力が大きく変わります。
駐車場などでよく見るツルッとした仕上げは金鏝(カナゴテ)仕上げです。汚れが付きにくい反面、雨に濡れるとやや滑りやすくなってしまいます。そこで勾配がきつい場合やデザイン的にアクセントをつけたい場合などに行なうのが表面がザラザラな刷毛引(ハケビキ)仕上げです。刷毛引仕上げでしたらグリップ力が上がるので、雨に濡れても滑る心配は少ないでしょう。ただし、その分汚れも残りやすくなりますのでご注意ください。
アプローチに芝生、砂利、山砂を使うこともあるかもしれません(場合によっては土のままということも)。雨の日の歩きやすさを考えるとこれらの固定されていない素材をアプローチに使うというのはあまりおすすめできませんが、何かしらの理由で使うということであれば飛び石のように歩く部分だけはしっかりした素材を配置することをおすすめします。これによって歩きやすさを確保するとともに、土や泥の玄関、室内への持ち込みを軽減することができます。
アプローチの配置を考えるとき、まず一番大事なのは使いやすさでしょう。毎日の生活動線になる部分ですので無理のない配置にする必要があります。また、幅も1.2mぐらい確保できるとすれ違いに支障をきたすこともないでしょう。
道路から建物の玄関までを最短で結んだ時、そのラインは直線になります。アプローチも真っすぐにした場合が一番距離を短くすることができますが、ラインを曲げることによって生まれる利点もあります。
防犯のことを考えると、玄関のドアを開けたときに室内が丸見えというのはあまりおすすめできません。アプローチが真っすぐだと室内が丸見えになってしまう危険性も高くなります。デザイン的にもアプローチに曲線やコーナーを設けることによってリズムが生まれ面白みを出すことができます。
利用する方によっては、ユニバーサルデザインを意識して段差のないアプローチにする必要もあるでしょう。ただし、道路の高さよりも建物の玄関の高さの方が高くなることが一般的ですので、スロープ等を利用して無理のない配置を考えなければなりません。ちなみに、車いすで自力で上がれる勾配は5%(1mで5㎝上がる計算)程度と言われています。
最後に、より良いアプローチにするためのテクニックをいくつかご紹介します。これらを現場に合わせて使うことによって、限られた敷地の中でも機能的且つデザイン的なアプローチに仕上げることができます。
<フォーカルポイント>
あえて目立つものを配置することによって、他のものに目がいきにくくするテクニックです。動線を意識させるのにも役立ちます。シンボルツリーを利用することもできます。
<ビスタ効果>
ある対象物に向かった直線的な景観をビスタといいます。見通しのいい直線的なデザインは対象物が実際よりも遠くにあるように感じます。
<縦のライン、横のライン>
縦のラインは実際よりも距離感を出すことができます。逆に横のラインは実際よりも幅が広いように感じさせることができます。
毎日意識せずに通っているところだからこそ、その仕上がりがよければ無意識に楽しい毎日をすごすことができる、、、かもしれません。
アプローチは、比較的素材のランクよりも配置、デザインによってその価値が決まってくる部分です。限られた予算の中でどれだけ楽しいアプローチを作れるかが腕の見せ所だと思っていますので、お困りのときにはお気軽にご相談ください。
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